秩父市 中津森林科学館、その周辺

測定日:2017年6月14日 10:50~15:20  晴れ  南東の風2~3m

測定地:埼玉県秩父市中津川447

測定方法:地上高5cm を歩行による移動測定、地上高5cm・50cmの定点測定

移動測定 平均空間線量 0.056μSv/h     

《森林科学館~炭焼き体験炭窯》

《森林科学館水辺広場~中津キャンプ場》

 前回は2014/10/30、地上50cm高の測定で平均0.055μSv/h 、今回は5cm高の測定で平均0.056μSv/hでした。5cm高の測定では50cm高より20%高い線量になりますので、わずかですが、空間線量は低減しているといえます。しかし、もともと空間線量の低い地区なので、大きく数値が動ことはないと思われます。

 今回は盛夏、万緑の中での測定でしたが、やはり中津は秋の景色が秀逸です(笑)


《 定点測定 》

いかにもセシウムがたまりそうな傾斜地の下ですが、低い空間線量です。このようなセシウム濃縮の条件がそろっている場所の線量を見ると、周囲の汚染の様子がわかります。

グラフをみるとセシウム137のピークがありません。空間線量0.066µSv/hは岩からの自然放射線の影響を受けています。

一段上にあるキャンプ場から雨水が流れてきそうな場所です。簡易的な土壌測定の結果は約120Bq/Kg、やはり写真2と同じで、自然放射線の影響が大きいポイントのようです。

ここはバス回し、アスファルト舗装に囲まれた円形の緑地です。周囲に比べ、やや高い空間線量で、わずかにセシウム137のピークも見えます。簡易的な土壌測定の結果は350Bq/Kg。今回の調査でもっとも線量の高いポイントです。

前回の調査時は建物の裏の壁板が、熊に壊されていましたが、今回は上から板を貼って修理されていました。空間線量はセシウム+自然放射線という感じです。

 この広場のベンチ腰掛けて眺めていると、高級リゾート施設のテラスにでもいるような気分になります。森の中の近代的な建物、きれいに整備された広場、すてきな眺めです。

 さて、グラフからはセシウムのピークが見えません。土壌の放射能濃度も、写真3の川原の下と同程度と思われ、やはり空間線量の値はセシウム+自然放射線なのでしょう。


《まとめ》

 これまでの経験から、山中で大規模な土木工事を伴って造成された施設というのは、自然放射線が高いようです。滝沢サイクルパークや寄居町彩の国資源循環工場がその典型です。こまどり荘、科学館周辺の空間線量が周辺の森に比べて若干高いのはそのせいかもしれません。

 ともかく中津森林科学館の周辺は、福島第一原発事故の放射能の影響は小さかったものと思われます。 


秩父市 その他の測定ポイント

羊山公園・ミューズパーク・大滝元気プラザ~栃本広場・滝沢サイクルパーク・中津峡森林科学館周辺 

 

※秩父市の除染基準   面的0.23μSv/h(1m高、50cm高)、局所的1.00µSv/h(1cm高)